2026年6月、NOAAが宣言しました。エルニーニョが、再び来たと。
そして今回は、ただのエルニーニョではないかもしれない。海面水温が平均より2℃以上高くなる「スーパーエルニーニョ」に発展する確率は63%。もしそうなれば、少なくとも過去10年で最も強い現象となり、2027年は史上最高気温を更新する年になるかもしれない。
地球が、揺れています。
でも、わたしはここで少し立ち止まって、この現象を別の角度から見つめたいと思います。占術と東洋の智慧は、自然界の大きな波を「異常」としてではなく、「地球という星の呼吸」として読む視点を持っています。
今回は、易経と五行思想を中心に、スーパーエルニーニョが語りかけているものを、静かに読み解いてみたいと思います。
【スーパーエルニーニョとは何か】
エルニーニョは、太平洋の赤道付近で海面の水温が平年より高くなり、その熱が大気へと放出される現象です。ペルーの漁師たちがこの現象に気づいたのはクリスマスの頃だったため、スペイン語で「神の子(赤ちゃんのイエス)」を意味する「エルニーニョ」と呼ばれるようになりました。
通常の太平洋では、貿易風が温かい海面水を西へ押し流し、東側では深海から冷たい水が湧き上がります。ところがエルニーニョが起きると、この貿易風が弱まり、温かい水が東へと広がります。海が蓄えた膨大な熱が、大気へと解き放たれる。その影響は地球全体の気象パターンを変えます。
スーパーエルニーニョと呼ばれるのは、この海面水温の上昇が特に著しく、通常の2℃以上の偏差を記録するケースです。1982年から83年、1997年から98年、2015年から16年。いずれも世界各地に記録的な豪雨、干ばつ、台風、山火事をもたらしました。
2026年のエルニーニョは、秋以降にかけてさらに強まる見込みです。太平洋の大きなうねりが、再び動き始めています。
【占術で読む 地球の水と火の対話】
■ 易経「火水未済」と「水火既済」 完成と未完成のあいだで
今回、まず読み解きたいのが易経です。古代中国に生まれ、孔子も愛した占術であり哲学書でもある易経は、宇宙のあらゆる現象を陰陽の変化として読み解きます。64の卦(かけ)から成り、それぞれが自然現象や人間の状況を象徴しています。
エルニーニョという現象を易経で読むとき、わたしはふたつの卦が浮かぶのを感じます。
火水未済(かすいびせい) 第64卦
火が上にあり、水が下にある。火は上へ昇ろうとし、水は下へ流れようとする。それぞれが正反対の方向に動くため、ふたつは交わらず、統合されない状態です。未済は「まだ完成していない」を意味します。
エルニーニョのとき、太平洋の熱は大気中へ上昇し(火が上へ)、海流は乱れた新しいパターンで動きます(水が下で揺れる)。水と火がそれぞれの方向へ動き、大気と海洋の新しい均衡を探している。それはまさに「火水未済」の象です。
易経はこの卦について、こう伝えています。「未済は、完成の前夜である。混乱の中にこそ、変容の種がある」と。
水火既済(すいかきせい) 第63卦
対して、通常の太平洋の状態を読むとき、「水火既済」の卦が浮かびます。水が上にあり、火が下にある。水は火を適度に制し、火は水を温める。相互に作用しながら、バランスを保っている状態。「既済」は「すでに完成している」を意味します。
易経は、地球の気候もまた、「既済(均衡)」と「未済(変容)」を繰り返すことで、より高い次元の調和へと向かうと読みます。スーパーエルニーニョは「未済」の極点。しかしそれは、新しい「既済」へ向かうための、大きな変容のプロセスでもあります。
■ 五行思想 水と火と、2026年の干支
次に、五行思想(ごぎょうしそう)の視点から読みます。
五行は、この世界のすべてを「木・火・土・金・水」の5つの気として捉え、それらの相互作用で自然と人間の流れを読む思想です。
2026年は丙午(ひのえうま)年です。
丙(ひのえ)は、天の炎。太陽そのものを象徴する、最も輝かしい陽の火。 午(うま)は、五行では「火」に属し、南の方角、夏の盛りのエネルギーを持ちます。
丙と午、どちらも「火」の気です。2026年は、60年サイクルの中でも最も「火」の気が強い年のひとつにあたります。
そしてエルニーニョは、本質的には「水(海)が蓄えた熱(火)を大気へ解き放つ」現象です。海という「水」が、「火」へと変容する。
五行の視点では、水と火の相剋(水は火を制し、火は水を蒸発させる)が、今年の丙午の火の気と重なるとき、自然界のエネルギーの振れ幅が大きくなると読みます。
水が揺れるとき、火は高くなる。火が強まるとき、水は混乱する。
五行は「克し合いながら、生み出す」という循環を信じています。水と火の激しい対話は、最終的には「土」の安定へと向かいます。土は、水と火の間に立ち、バランスをとる存在です。5つの気の長い時間をかけた循環の中で、今はその「水火の葛藤の時間」にある、と五行は伝えています。
■ 九星気学 六白金星年に地球を読む
2026年は六白金星年です。
六白金星は「天・名声・清廉・本物を際立たせる」エネルギーを持ちます。金の気は、混じりものを取り除き、純粋なものを浮かび上がらせる力があります。
環境の観点から読むと、六白金星年は「本物の変化が表に出てくる年」です。長い間、海の底で蓄積されてきた熱が表面に現れ、人々の目の前に「地球の真の状態」が可視化される。スーパーエルニーニョが今年に起きることは、六白金星の「隠れていたものが顕在化する」性質とも共鳴します。
また、六白は「上天下澤(天の上に道あり)」の思想を持ちます。地球が今、そのメッセージを発しているとするなら、六白金星年の今こそ、そのメッセージが最も明確に聞こえる年かもしれません。
■ 数秘術 2026年の数字が語ること
2026年のエネルギーを数秘術で読みます。
2 + 0 + 2 + 6 = 10 1 + 0 = 1
数字の1は「始まり・新しいサイクル・意識の覚醒」を意味します。
前のサイクルが終わり、新しい時代の最初の一歩が始まる年。それはとても清新で力強い数字ですが、同時に「これまでのやり方が通用しない」という変容のエネルギーも持っています。
地球という星のサイクルもまた、「1」のエネルギーの中にあります。これまで通りの気候が通用しない新しい時代の始まりを、2026年のスーパーエルニーニョは告げているのかもしれません。
■ マヤ暦 地球の大きな呼吸の中で
マヤ文明は、地球の周期について驚くほど精密な暦を持っていました。
マヤ暦の「赤い地球(Red Earth)」の紋章は「周期・同期・進化・ナビゲート」を象徴します。地球は、コアから宇宙の銀河のリズムまで、いくつもの周期の中で呼吸しています。
マヤ宇宙論において、気候の大きな変化は「地球が次の進化の段階へ移行するサイン」として読まれます。エルニーニョという現象が4年から7年の周期で繰り返されること自体、地球が持つ呼吸のリズムのひとつです。そしてその呼吸が深くなるとき(スーパーエルニーニョ)、地球はより根本的な変容を求めているサインかもしれない、とマヤ暦の智慧は伝えます。
私たちはその呼吸に、抵抗するのではなく、同期していく(synchronize)ことが求められているのかもしれません。
【天文・暦から読む 地球の今】
暦から読むと、スーパーエルニーニョのサイクルにはひとつの興味深いパターンがあります。
現代の記録に残る強いエルニーニョの年は、1982年から83年、1997年から98年、2015年から16年、そして2023年から24年にかけてです。このサイクルは完全に均等ではないものの、おおむね15年前後の大きな波が存在します。
古代の人々は、こうした自然の長い周期を「天の意志」として読み、農業・漁業・生活のサイクルを合わせていきました。暦は単なる日付の記録ではなく、自然との対話のための道具でした。
現代の科学は、エルニーニョの発生に気候変動が影響していること、温暖化が進むほどその強度が増す可能性があることを示しています。天の周期と人間の活動が、今まさに複雑に絡み合っています。
【心理学・哲学から 地球と人間の対話】
スイスの心理学者カール・ユングは、「シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)」について語りました。内側の変化と外側の出来事が意味ある形で重なるとき、それは偶然ではなく、何かより深い秩序を示しているという考え方です。
地球という星が「水と火の対話」を激しく行っているこの時期、人間社会もまた、水(感情・流動・受容)と火(行動・変革・情熱)の間でバランスを問われているように見えます。
環境問題とは、技術の問題であり、政策の問題でもありますが、根底には「人間と地球との関係性」の問いがあります。地球は今、人間に何かを問いかけている。易経の「未済」が示すように、それは終わりではなく、変容の始まりの問いです。
【地球の呼吸に、耳を澄ます】
スーパーエルニーニョのニュースを聞いて、不安になる方もいるかもしれません。
でもわたしは、占術の視点から、少し違うことをお伝えしたいと思います。
易経の「火水未済」は、混乱の卦ではありません。変容の卦です。「まだ完成していない」は「これから完成に向かう」という意味でもあります。
五行の水と火の葛藤は、最終的に「土」という新しい安定を生みます。地球は今、その「土」へ向かうプロセスの中にあるのかもしれません。
では、わたしたちはどうすればいいのでしょう。
まず、知ること。地球が何を語っているかに、静かに耳を傾けること。次に、自分の日常の中で「水と火のバランス」を意識すること。急ぎすぎない(火)。流れに任せすぎない(水)。大地のように、丁寧に、確かに、暮らすこと(土)。
そしてもし、この大きな自然の変容の中で「自分はどんな星のもとに生まれ、どんな役割を持っているのか」を知りたくなったなら、あなた自身の命式を読み解くことが、ひとつの道になるかもしれません。
地球が語りかけているとき、あなたの命式もまた、あなたに語りかけています。
moco
【今後の展望 2026年秋から2027年にかけて】
NOAAの予測では、2026年秋以降にスーパーエルニーニョが本格化する可能性があります。
日本への影響としては、夏の猛暑の激化、秋以降の大型台風の発生、冬の偏った降雪パターン、そして農作物への影響が懸念されます。世界的には、東南アジアでの干ばつ、南米での洪水、食料価格の上昇リスクが指摘されています。
五行の視点では、丙午年(火)の後に来る丁未年(2027年)は「陰火と土」の年。火が静まり、土が安定を取り戻そうとする年です。スーパーエルニーニョの本格的な影響は2026年後半から2027年にかけてが山場となり、その後、徐々に落ち着きを取り戻す流れが読めます。
地球という星は、長い時間の中でいつも、均衡を取り戻してきました。わたしたちは今、その大きな物語の、深い変容の章の中にいます。
moco’s 星読み新聞
あなた自身の命式を、丁寧に読み解きます
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