四柱推命・風水・タロット・ルーンで読む
私は今回、この店の名前を知ったとき、しばらくその三文字を眺めていました。
noden.(ノーデン)。
- 店名:noden.(ノーデン)
- オープン日:2026年8月10日(月)グランドオープン(予定)
- 住所:京都府京都市中京区押西洞院町610
たった五つのアルファベットの中に、三つの願いが折りたたまれている。node は「結び目」、en は「ご縁」、そして no は「農」。人を結び、縁を育て、土から始める。一人の料理人が、どれほどの想いをこの短い名前に込めたのか。それを思うと、軽々しく読めなくなってしまったのです。
食への愛情を、四つの占術で、ゆっくりと味わってまいります。
何が起きたのか
俳優の速水もこみちさん(41)が、七月十五日、自身のインスタグラムを更新し、京都・二条エリアにレストラン「noden.」を八月にオープンすると発表しました。速水さん自身が代表を務め、シェフ・オペレーターとして、不定期ながら自ら料理を振る舞うといいます。
舞台となるのは、世界文化遺産・元離宮二条城にほど近い、築百年以上の京町家です。速水さんは「京都の今を五感で味わう新たな食体験を提供します」と綴りました。
そして、店名の由来です。ここに、この店のすべてが込められています。
コンセプトは「ELEMENT(要素)」。node は「結び目」「交点」を意味し、en は「ご縁」。さらに no には「農家の農」の意味が重ねられ、京食材を軸に全国の素晴らしい食材を使い、生産者と食べ手をつなぎたい、という想いが込められています。
速水さんは、こう結んでいます。「ジャンルにとらわれない自由なひと皿ひと皿を提案いたします」。
思えば、彼と料理の縁は、とても長いものでした。朝の情報番組の料理コーナーで、オリーブオイルを惜しみなく使う独特のスタイルは、八年にわたって多くの人に親しまれました。レシピ本は、フランスのグルマン世界料理本大賞で、日本料理部門のグランプリを受賞しています。俳優が余技で料理をしているのではありません。料理そのものが、彼のもうひとつの本業なのです。
四柱推命で読む|「丙」という、太陽の火
速水もこみちさん、一九八四年八月十日生まれ。出生時刻は公表されていませんので、年・月・日の三柱で読みます。この点は正直にお断りしておきます。
年柱は甲子。月柱は壬申。そして日柱は、丙子(ひのえ・ね)。
中心となる日干は、丙です。
丙とは、陽の火。ろうそくの炎ではありません。丙の火とは、太陽そのものです。天空にあってすべてを照らし、あらゆるものを分け隔てなく温める、あの大きな火です。
丙の人の本質は、明るさと、情熱と、そして「隠しごとができないこと」にあります。太陽は、物陰に隠れて燃えることができません。丙の人もまた、その想いや才能を、いつも表に出さずにはいられない。
料理という、火を扱う仕事があります。そして、その料理を惜しみなく人前で披露し続けてきた人がいます。太陽の火を持つ人が、火で調理し、その火を人々に分け与える。これほど日干と生き方が一致している例を、私はそう多くは知りません。
さらに面白いのは、月柱と年柱です。年柱の子、月柱の壬と申は、いずれも水の性質を強く帯びています。
火の人が、水に囲まれている。
一見、火は水に消されそうに思えます。けれど四柱推命では、丙の太陽にとっての水は、必ずしも敵ではありません。太陽と水があってはじめて、空に虹がかかり、水面がきらめき、大地に恵みの雨が降るからです。火の情熱を、水の柔らかさが包んでいる。派手なようでいて、どこか涼やかで品のあるあの佇まいは、この配合から来ているのかもしれません。
そして、水は五行において、木を育てる母でもあります。木は、料理でいえば野菜であり、農であり、土から生えるすべてのいのちです。「no は農」と名づけたこの店の根には、彼の命式に流れる水の存在が、静かに関わっているように見えます。
風水で読む|四神が守る都に、鰻の寝床を選ぶ
風水の目で、この立地を見てみましょう。
まず、京都という土地そのものが、風水の理想を体現した都です。平安京は、四神相応、すなわち四方を四体の神獣に守られる地相を選んで築かれました。北を玄武の山が背負い、東を青龍の川が流れ、西を白虎の道が走り、南を朱雀の水が開く。この配置が、都に気を蓄えるとされてきました。
その京都の、二条という場所。二条城のすぐそばです。城とは、風水でいえば、強い気を発する巨大な「靠山(こうざん)」、すなわち背後を守る山にあたります。歴史の重みを蓄えた場が、すぐ近くにあるということです。
そして、築百年以上の京町家。
京町家は、「鰻の寝床」と呼ばれます。間口が狭く、奥行きが深い、あの独特のかたちです。
風水において、この形は、実はとても理にかなっています。狭い入り口から入った気が、細長い通り庭を通って、奥へ奥へとゆっくり流れていく。その途中に坪庭があり、そこで気が一度やわらぎ、澱まずに循環する。急がず、留まりすぎず、静かに巡る。京町家は、気の流れを穏やかに調える、生きた装置なのです。
ここで、店名を思い出してください。node、結び目であり、交点。
風水で人と気が出会う「交点」といえば、玄関であり、通り庭であり、坪庭です。まさに京町家の構造そのものが、node なのです。狭い入り口で人と人がすれ違い、細長い庭が縁をつなぎ、奥の坪庭で気が結ばれる。
ジャンルにとらわれない、と彼は言いました。間口の狭い町家が、奥に思いがけず広い世界を隠しているように、この店もまた、小さな入り口の奥に、境界のない自由な食の世界を用意しているのでしょう。
タロットで読む|三つの願いに、三枚のカード
ここが、今回もっとも鮮やかでした。
店名 noden. に込められた三つの願い、node(結ぶ)、en(縁)、no(農)。この三つに、それぞれ大アルカナを一枚ずつ引いてみました。すると、驚くほど噛み合ったのです。
node(結び目・交点)に……運命の輪(X)
人と人を結ぶ、という願いに出たのが、運命の輪でした。
運命の輪は、巡り合わせのカードです。回り続ける輪の上で、思いもよらない出会いが生まれ、縁と縁が交差する。狙って作るのではなく、めぐってくる。人と人が「たまたま」出会い、それが必然になっていく。
生産者と食べ手をつなぎたい、という願いに、これほどふさわしいカードがあるでしょうか。誰が、どの畑の野菜と出会い、どんな一皿になるか。それは、輪が回ってみなければ分かりません。node の願いに、めぐり合わせのカードが応えたのです。
en(ご縁)に……魔術師(I)
縁を育てる、という願いに出たのが、魔術師でした。
魔術師は、卓の上に四つの道具、すなわち火・水・風・土の象徴をすべて並べ、片手を天へ、片手を地へと向けています。天の力を、地上のかたちへと変換する人。素材を、作品へと変える人。
そして思い出してください。この店のコンセプトは「ELEMENT(要素)」でした。火・水・風・土の四大元素、それこそが、魔術師が卓に並べているものそのものです。
料理人とは、まさに魔術師です。土から採れた食材に、火を入れ、水を加え、風で香りを立てる。四つの要素を自在に操り、目の前の一皿へと変えていく。en の願い、つまり素材と人との縁を「かたち」にするところに、変換の達人である魔術師が現れました。
no(農)に……正義(XI)
土と食材への願いに出たのが、正義でした。
正義のカードは、天秤を持っています。釣り合い。公正さ。ごまかしのなさ。
農とは、ごまかしのきかない営みです。土に手をかけた分だけ、季節を待った分だけ、正直に実る。天秤が示すのは、生産者の労と、食べ手が受け取る恵みとが、きちんと釣り合っているか、という問いでもあります。真っ当な食材を、真っ当に扱う。生産者への敬意を忘れない。no の願いの根に、公正の天秤が置かれました。
運命の輪、魔術師、正義。めぐり合わせが人を結び、変換の力が縁をかたちにし、公正さが土を支える。三つの願いに、三つの答えが、静かに返ってきました。
ルーンで読む|ティール、まっすぐな一本の槍
最後に、ルーンを一文字引きました。出たのは、ティールです。
ティールは、北欧神話の戦神テュールを表す文字です。その字形は、上へまっすぐ伸びる一本の矢、あるいは槍のかたちをしています。
戦の神と聞くと、勇ましく響くかもしれません。けれどティールが本当に象徴するのは、乱暴な力ではありません。テュールという神は、仲間を守るために、自らの右手を犠牲にした神です。約束を守るために、痛みを引き受けた神なのです。
ですからティールが意味するのは、正しい方向へまっすぐ進む意志であり、犠牲を厭わない献身であり、そして自制の効いた、静かな勇気です。
俳優として成功を収めた人が、四十を過ぎて、なお厨房に立とうとしています。しかも、片手間ではなく、自ら代表を務め、シェフ・オペレーターとして責任を負う立場で。安全な場所から一歩を踏み出し、慣れ親しんだ舞台とは違う戦場へ、まっすぐ進んでいく。
ティールの矢は、上を指しています。迷わず、脇目もふらず、ただ一つの方向へ。「ジャンルにとらわれない自由なひと皿を」という宣言は、まさにこの、まっすぐな矢のような意志の表れに見えました。
まとめ
四つの占術は、それぞれの言葉で、同じ人を描き出しました。
四柱推命は、彼が「太陽の火」を持つ人だと言いました。隠さず、照らし、分け与える火です。風水は、四神の守る都の、鰻の寝床という交点を彼が選んだと示しました。タロットは、店名の三つの願いに、めぐり合わせ・変換・公正という三枚を返しました。そしてルーンは、まっすぐな献身の矢を、彼の手に握らせました。
思えば、料理とは、四大元素そのものです。土から生まれた食材に、火を通し、水を加え、風で香らせる。魔術師が卓に並べた火・水・風・土は、そのまま、厨房に立つ一人の料理人の手のなかにあります。
そして、その料理を貫いているのは、「結ぶ」という一本の願いでした。生産者と食べ手を結び、京都と全国を結び、ジャンルとジャンルの境界を溶かして結ぶ。node、結び目。それが、この店の名の、いちばん最初に置かれた文字でした。
八月、二条の京町家に、小さな灯りがともります。
太陽の火を持つ人が、その火で、誰かのための一皿を焼く。きっと、あの惜しみない量のオリーブオイルとともに。
今回使用した占術について
四柱推命(しちゅうすいめい)は、生年月日時を年・月・日・時の四つの柱(干支)に置き換え、陰陽五行の関係から運命を読む中国由来の占術です。中心となるのは日柱の天干(日干)です。今回は出生時刻が非公表のため、年・月・日の三柱で読みました。丙は「太陽の火」を象徴します。
風水(ふうすい)は、土地や建物の気の流れを読む中国由来の環境学です。都の吉相を「四神相応」といい、四方を四体の神獣が守る地相を理想とします。京町家の細長い構造は、気を穏やかに循環させる形とされます。
タロットは、七十八枚のカードで状況を読む占術です。今回は象徴性の強い大アルカナ二十二枚を用い、店名に込められた三つの願いに一枚ずつを配して読みました。
ルーン(るーん)は、古代北欧の文字体系を用いた占術です。二十四文字のエルダー・フサルクが一般的で、各文字が自然物や概念、神々を象徴します。ティールは戦神テュールを表し、まっすぐな意志と、自制の効いた献身を意味します。
moco’s 星読み新聞
あなたの一皿にも、結びたい縁がありますか
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