審判のカードが出た日|山田涼介の豊臣秀次

深い墨色から金茶へ移ろう背景の中央に、両腕を広げて起き上がる人影が白く浮かび、その頭上から天へ向かってラッパの音を思わせる金色の光の帯が広がる。足元には開いた墓を表す横線、左右には獣を思わせる金の弧。記事タイトル「審判のカードが出た日」 芸能・文化面
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算命学・宿曜占星術・タロット・干支占いで読む

私は今回、三枚のタロットを引き終えて、しばらくカードを見つめていました。

役者に「力」。役に「審判」。そして二人の出会いに「世界」。

大アルカナ二十二枚のうち、最後の二枚が並んでいたのです。しかも、四百年以上前に非業の死を遂げた武将の役に、よりによって「審判」のカードが出ました。

審判とは、墓から死者が起き上がり、新しい命を得るカードです。

今日は、この配役に何が宿っているのかを、四つの占術で読み解いてまいります。

何が起きたのか

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の追加キャスト第十一弾が発表され、Hey! Say! JUMPの山田涼介さん(32)が、豊臣秀次役で大河ドラマに初出演することが決まりました。

山田さんが演じる豊臣秀次は、秀吉の姉・ともと長尾吉房の子・万丸として生まれ、宮部継潤、さらに三好康長の養子となった後、豊臣秀吉のもとで一門衆として天下統一の一翼を担うことを期待される人物です。

そして、この配役の重さは、番組側の紹介文に表れています。豊臣兄弟の運命を大きく左右する役どころ、とされているのです。

山田さんは、オファーについてこう語っています。

「とても驚きました。同時に、時代劇の経験が多くない自分に声をかけてくださりとてもありがたかったです。大河ドラマにはいつか出演させていただきたい、一員になりたいと思っていましたので、とても光栄であり身が引き締まる思いでした」

作品への印象は、こうです。

「キャラクター一人一人の立ち方が魅力的で、仲野太賀さん、池松壮亮さんをはじめとする俳優陣のお芝居に惹きつけられました。豊臣兄弟が生きた時代背景の描き方も素敵で、熱量を感じる大河ドラマだと思い、毎週待ち遠しく拝見していました」

そして、秀次という人物について。

「残酷な最期を迎えた武将という印象でした」

けれど、現場での呼び名を紹介した言葉が、この配役の方向性を示しています。

「現場では、秀次は戦国Z世代と言われています」

そして、意気込みです。

「観てくださる方が、なんだこいつ?と思ってくださる様なキャラクター作りをしていこうかな、と思っています。『豊臣兄弟!』に新しい風を吹かせられるような存在にしていきたい」

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豊臣秀次という人について

占う前に、この人物のことに触れておかなければなりません。

豊臣秀次は、豊臣秀吉の甥にあたります。子のいなかった秀吉の後継者として関白の座を継ぎ、豊臣政権の二代目となりました。

けれど、秀吉に実子・拾(のちの秀頼)が生まれると、状況は一変します。文禄四年、秀次は謀反の疑いをかけられ、高野山へ追放されたのち、切腹を命じられました。享年二十八。

そしてその後、彼の妻子と側室ら三十数名が、京都・三条河原で処刑されています。

さらに秀次には、長く「殺生関白」という汚名がつきまとってきました。理由もなく人を殺めたという逸話が広まったのです。ただし近年の研究では、こうした悪評の多くは秀次の死後に作られたものであり、実像とは異なるのではないか、という見方が有力になっています。実際の彼は、学問を好み、文化を保護し、政務にも真面目に取り組んだ人物だったとする研究が積み重ねられています。

つまり秀次とは、死後四百年以上にわたって、実像と評価が食い違ってきた人物なのです。

このことを踏まえて、タロットの結果をご覧ください。

タロットで読む|力、審判、そして世界

大アルカナ二十二枚から、三枚を引きました。

山田涼介という俳優……力(VIII)

「力」のカードには、若い女性が獅子の口に手をかけている姿が描かれています。

けれど、このカードが表すのは腕力ではありません。女性は獅子を力ずくでねじ伏せてはいないからです。彼女は優しく、けれど確固として、獅子を撫でています。頭上には無限を表すレムニスケートが浮かんでいます。

「力」が象徴するのは、内なる強さ、忍耐、そして荒ぶるものを穏やかに手なずける力です。

山田さんは十歳で事務所に入り、少年時代から人前に立ち続けてきました。アイドルとして、俳優として、二十年以上のキャリアがあります。「暗殺教室」で新人俳優賞を受賞し、その後も難しい役柄を重ねてきました。

華やかな場所に長くいながら、自分を保ち続けること。それは、まさに獅子を手なずけるような営みだったのではないでしょうか。

「時代劇の経験が多くない自分に」という謙虚な言葉も、力のカードらしいものです。このカードは、誇示しません。ただ、静かに手を置くのです。

豊臣秀次という役……審判(XX)

そして、役の位置に出たのが、審判でした。

私はこのカードを見て、思わず声が出ました。

審判のカードには、天使がラッパを吹き鳴らし、その音に呼ばれて、墓の蓋を開けて人々が起き上がる姿が描かれています。裸の男女と子どもが、両手を広げて空を見上げています。

審判が象徴するのは、復活、再評価、そして「過去が正しく裁き直されること」です。

秀次は、四百年以上「殺生関白」と呼ばれてきました。近年その汚名は見直されつつありますが、多くの人の記憶にはまだ、残酷な暴君のイメージが残っています。

その役に、審判のカードです。

墓から起き上がり、正しく評価し直される。

これ以上、豊臣秀次という人物にふさわしいカードがあるでしょうか。しかも山田さん自身が「観てくださる方が、なんだこいつ?と思ってくださる様なキャラクター作りを」と語り、現場では「戦国Z世代」と呼ばれているというのです。

従来のイメージを覆す。それはまさしく、審判のカードが担う仕事です。

この出会いが生むもの……世界(XXI)

そして、二人の出会いに出たのが、世界でした。

世界は、大アルカナ二十二枚の最後に置かれるカードです。旅の終着点であり、完成であり、統合。楕円の花輪の中で、人物が舞い、四隅には四大元素を表す象徴が配されています。

世界が意味するのは、達成、完成、そして一つの旅路が実を結ぶことです。

大河ドラマは、日本の俳優にとって特別な意味を持つ場所です。山田さん自身が「いつか出演させていただきたい、一員になりたいと思っていました」と語っています。

長く抱いてきた願いが、かたちになる。その位置に、完成のカードが出ました。

力(VIII)、審判(XX)、世界(XXI)。

大アルカナの最後の二枚が、この配役の周りに並んでいます。これは偶然ですが、印象深い偶然です。

算命学で読む|「庚」という、鍛えられる刃

算命学に移ります。一九九三年五月九日の命式を出しました。

日柱は庚寅。中心となる日干は、庚(かのえ)です。

庚とは、陽の金。それも、装飾品ではありません。鉄であり、刀剣であり、斧です。

庚の本質は、鋭さ、決断力、そして「鍛えられて強くなること」にあります。鉄は、生まれたままでは使い物になりません。火に入れられ、槌で打たれ、水に入れられ、また打たれる。その工程を繰り返してはじめて、刃になります。

庚の人は、試練によって磨かれるほど、切れ味を増すとされます。

そして、月柱をご覧ください。丁巳。丁は陰の火、巳もまた火の性質を持ちます。

庚の金が、丁の火に囲まれている。

算命学において、庚の金にとって丁の火は、決して敵ではありません。むしろ、これは「火錬真金(かれんしんきん)」と呼ばれる、金にとって理想的な配合とされます。

火に鍛えられて、金は真の刃となる。

十歳で事務所に入り、少年時代から評価にさらされ、アイドルであることと俳優であることのあいだで揺れながら、二十年以上を過ごしてきた人。その人の命式に、火に鍛えられる金の配置が出ていました。

そして日支は「寅」。寅は木であり、春の始まりであり、そして虎です。

刃の下に、虎が伏せている。

「力」のカードで獅子を手なずけていた人の日支が、虎だったこと。これも、面白い符合でした。

宿曜占星術で読む|「危宿」、境界に立つ人

宿曜占星術で、山田さんの宿を出しました。

危宿(きしゅく)です。

危という字は、危険を意味するだけではありません。もともとは高いところに立つこと、切り立った崖の縁に立つことを表します。

危宿の人の特質として言われるのは、独特の感性、常識にとらわれない発想、そして「人と違う道を行く」ことです。派手さより深さ、多数派より少数派。そして、危うさを含んだ魅力を持つとされます。

「なんだこいつ?と思ってくださる様なキャラクター作りをしていこうかな」

この言葉を、もう一度ご覧ください。

危宿の人は、まさにそういうことを言う人なのです。予定調和を嫌い、見る者を揺さぶることを選ぶ。安全な場所ではなく、崖の縁に立つことを選ぶ。

そして秀次という役もまた、崖の縁に立った人でした。関白という最高位に上り詰め、そこから一気に転落した。危宿という宿と、この役の運命は、不思議なほど重なって見えます。

なお、配役が発表された二〇二六年七月二十日の宿は室宿でした。室宿は「家を建てる宿」「土台を築く宿」とされます。

新しい役を引き受け、その土台を築き始める日。宿の並びは、静かに整っていました。

干支占いで読む|酉と辰、四百年を越えて

最後に、干支です。

山田涼介さんは一九九三年生まれ。干支は癸酉(みずのと・とり)です。

そして、豊臣秀次は永禄十一年、西暦一五六八年の生まれ。干支を計算すると、戊辰(つちのえ・たつ)でした。

酉と辰。

この二つは、干支の相性論において「支合(しごう)」の関係にあたります。六つある支合の組み合わせのひとつで、互いに引き合い、結びつく関係とされます。

演じる人と、演じられる人。四百年以上の時を隔てた二人が、支合の関係で結ばれている。

もちろん、これは偶然です。けれど、俳優が役を演じるということの不思議さを、この符合はよく表しているように思います。

そして天干も見てみましょう。山田さんの年干は癸、陰の水。秀次の年干は戊、陽の土です。

癸と戊は、十干における「干合(かんごう)」の組み合わせです。互いに引き合い、結びつく関係とされます。

天干も、地支も、ともに結びつく関係にある。

演者と役が、これほど噛み合う例も珍しいのではないでしょうか。

(なお、山田さんの日干は庚=金、日支は寅=木でした。秀次の戊=土は、庚=金を生みます。土生金。四百年前の武将が、演じる俳優を育てる形になっている、と読むこともできます。)

まとめ

四つの占術が示したことを、整理します。

タロットは、力・審判・世界という三枚を並べました。獅子を手なずける俳優が、墓から起き上がる役を演じ、その先に完成が待っている。

算命学は、彼が「火に鍛えられる金」であることを教えました。試練によって切れ味を増す刃です。

宿曜占星術は、彼が「危宿」、崖の縁に立つ宿の人であることを示しました。予定調和を嫌い、見る者を揺さぶる宿です。

そして干支占いは、演者と役が、天干でも地支でも結びつく関係にあることを見せてくれました。

豊臣秀次という人は、二十八歳で切腹を命じられ、その後四百年以上、実像とは違う姿で語られてきました。

けれど、審判のラッパは、いつか必ず鳴ります。墓の蓋は開き、人は起き上がり、正しく見直される日が来る。タロットは、そう告げていました。

「新しい風を吹かせられるような存在にしていきたい」

山田さんのこの言葉は、作品への意気込みであると同時に、四百年間ひとつのイメージに閉じ込められてきた一人の武将への、静かな約束のようにも聞こえます。

戦国Z世代の関白が、どんな顔で現れるのか。

私はその日を、楽しみに待ちたいと思います。

今回使用した占術について

算命学(さんめいがく)は、生年月日を干支に置き換え、陰陽五行の関係から人物の本質を読む中国由来の占術です。中心となる「日干」を軸に性質を判じます。庚は「鉄・刀剣」を象徴し、火に鍛えられて真の刃になるとされます(火錬真金)。

宿曜占星術(すくようせんせいじゅつ)は、月の運行をもとに二十七(または二十八)の「宿」で人と日の質を読む、密教由来の占星術です。危宿は高所や崖の縁に立つことを表し、独特の感性と、人と違う道を行く性質を象徴します。

タロットは、七十八枚のカードで状況を読む占術です。今回は象徴性の強い大アルカナを用いました。力は内なる強さと忍耐、審判は復活と再評価、世界は完成と統合を象徴します。

干支占い(えとうらない)は、生まれ年の干支から性質と相性を読む東洋の占術です。十二支には「支合」、十干には「干合」と呼ばれる、互いに引き合う組み合わせがあります。

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