この記事でわかること
- 博多めんたいロック、最後にして最強の軍団
- 一九八〇年代、日本が最も若かった音楽シーン
- 森山達也の生まれ星まわり 宿曜で読む井宿
- マスターナンバー33 愛と奉仕の生まれ日
- 実例 四十五年のバンド結束という奇跡
二〇二六年十月十六日、産経新聞の芸能面に、博多出身のロックバンドTHE MODSのボーカル森山達也さんが古希を迎えたという記事が掲載されました。見出しに踊る「古希なんてまだ若造 不退転ロッカーは必ず乗り越える」という森山さん自身の言葉に、二十世紀の終わりに青春を燃やした世代の方なら、きっと胸の奥がきゅっと鳴ったのではないでしょうか。
きょうの星読み新聞は、THE MODSが結成四十五年を迎えた二〇二六年の秋に、森山さんの生まれ星まわりを辿りながら、日本の街が最も明るく、最も騒がしく、最も若かった時代の音楽シーンを、moco流にゆっくりと回想してまいります。古希という節目を占うのではなく、不退転と言い切る魂の輪郭を、宿曜と数秘術のまなざしでそっとなぞる試みです。
博多めんたいロック、最後にして最強の軍団
THE MODSは一九八一年六月二十一日、シングル「崩れ落ちる前に」とアルバム『FIGHT OR FLIGHT』でメジャーデビューを果たしました。デビュー盤はロンドン録音。森山さんはレコード会社に、ザ・クラッシュと同じレーベルから出せるならという条件を出し、会社側がそれを呑んだのだと今回のインタビュー記事ではなく、過去のインタビュー群で繰り返し語られてきました。日本の若いロックバンドが、本場ロンドンに胸を張って同じ土俵を要求した、まさに時代の勢いが凝縮された逸話です。
博多のライブハウス照和を母胎として、サンハウス、ザ・ロッカーズ、ザ・ルースターズ、シーナ&ザ・ロケッツ、そしてTHE MODSという錚々たる顔ぶれが次々と上京を果たした、あの流れを、音楽ジャーナリズムは「博多めんたいロック」と呼び慣わしてきました。鮎川誠さんがフロントに立ったサンハウスの重低音ブルース、大江慎也さんが叫び続けたルースターズの純度百のパンク、陣内孝則さんのロッカーズのストリート感。そして、博多めんたいロックのいわば最終兵器として登場したのがTHE MODSでした。
一九八一年という年を思い起こしてみてください。日本の街角には、ラジカセを肩に提げて歩く若者がいて、原宿の歩行者天国にはロカビリーの踊り手が並び、六本木のクラブからは一晩中ベースの音が漏れていました。経済はちょうど第二次オイルショックの余韻から立ち直り、翌年には東京ディズニーランドの建設が始まる。日本がまだ、未来を無邪気に信じていられた最後の季節です。THE MODSはそんな八一年のまさに夏至の日、六月二十一日に世に出てきました。日照時間が最も長い、日本列島が最も騒がしい一日に、です。

一九八〇年代、日本が最も若かった音楽シーン
THE MODSがデビューした八一年から八五年までの五年間は、日本のロックシーンが地下から地上へと一気に突き抜けていく、空前絶後の季節でした。八〇年にARBが「魂こがして」で火を灯し、八一年にTHE MODSとハウンドドッグが揃って登場し、八二年には佐野元春さんが「SOMEDAY」を世に放ち、八三年にTHE MODSは代表曲のひとつ「激しい雨が」を叩きつけました。八四年にはBOØWYが『MORAL』で狼煙を上げ、八五年にはTHE BLUE HEARTSがライブハウス渋谷屋根裏の階段を駆け上がっています。
この時期の東京のライブハウス、新宿ロフトや渋谷ライブイン、原宿ペニーレインには、連夜のように学生たちが押し寄せ、入場待ちの列は代々木公園の裏まで伸びていました。チケットは二千円から二千五百円、ドリンクは三百円。アルバイトひと晩分で、一生ものの夜に飛び込めた時代です。日本のロックは、まだアイドルや歌謡曲と地続きで、同じテレビ画面に並び、同じ雑誌の裏表紙を飾っていました。THE MODSが「激しい雨が」でブレイクした八三年、オリコンのシングルチャートには細川たかしさんの「矢切の渡し」が年間一位に立ちましたが、その同じチャートに、THE MODSや佐野元春さんが堂々と顔を揃えていたのです。
mocoがこの時代を思い出すとき、いつも胸に浮かぶのは、音の記憶ではなく匂いの記憶です。レコード屋のビニール袋の匂い、学生服のポケットに忍ばせたウォークマンのスポンジパッドの匂い、春の夜に自転車で駆け抜けたアスファルトの湿った匂い。THE MODSの激しいギターのストロークは、そうした昭和の終わりの匂いと分かち難く結ばれて、今も記憶の底で静かに鳴り続けているように思えます。

森山達也の生まれ星まわり 宿曜で読む井宿
森山達也さんは一九五六年十一月十九日生まれ、博多っ子です。この日の旧暦を宿曜占星術の盤面に落とし込むと、本命宿は井宿(せいしゅく)に辿り着きました。井とは井戸のこと。地の底から絶えず水が湧き出てくる、あの静かでいて限りのない湧出のイメージが、井宿という宿のすべての性質を貫きます。
井宿の人は、研究熱心で、進取の気性に富み、ひとつのことを掘り下げ始めると枯れずに湧き続ける泉を内側に抱えています。社交性があり、言葉で何かを表現することを本能的に喜ぶ気質。宿曜のテキストには、芸能や音楽の道で才を発揮する宿として、たびたび井宿が挙げられてきました。鍋をかき回すように流行を追うのではなく、井戸を掘り下げるようにひとつの深さに向かう、その姿勢こそが井宿の真骨頂なのです。
森山さんがrealsoundのインタビューで、「流行を追わず、幼少期から聴いてきた音楽から湧き出る曲を大切にしている」と語っていたという一節を読んだ瞬間、mocoは思わず膝を打ちました。井戸の底から汲み上げる、まさにその所作です。四十五年間、八〇年代から令和七年までの時代の荒波を、ジャンルを変えず、路線を変えず、ただ掘り続けてきたTHE MODSの歩みは、井宿の本領そのものと言ってよいでしょう。

マスターナンバー33 愛と奉仕の生まれ日
続いて、森山さんの生年月日を数秘術の計算盤に乗せてみます。一九五六年十一月十九日。各桁をすべて足していくと、1+9+5+6+1+1+1+9=33。数秘術の世界では、11、22、33の三つの数は「マスターナンバー」と呼ばれ、通常の一桁への還元を行わず、そのままの力で読む特別な数字とされてきました。
マスターナンバー33は、三つの中でも最も稀少で、最も重い数字です。愛と奉仕、慈悲と無償の献身の象徴とされ、個人の栄達よりも、持てる才を世のために注ぎ出すことに人生の意味を見出す魂の数字です。一般には、三十五歳を過ぎた頃から33の資質が本格的に花開き、晩年に向かって本領を発揮すると読まれます。
ロックの最前線で四十五年、七十歳を迎えたいまも、新作『REVOLVER 45』を世に送り出し、秋から全国ツアーを控えている森山さん。これほどまでに自分の音楽を長く、惜しみなく、ファンに注ぎ続けてきた姿勢を、マスターナンバー33の晩年開花の読みが支えているように思えてなりません。井戸から湧き出た水を、井戸の持ち主ひとりで独り占めせず、通りすがりの旅人にも分け与え続ける井宿の寛さと、33の無償性は、まるで同じ源泉から来ているかのようです。


実例 四十五年のバンド結束という奇跡
今回のインタビュー記事で特に心に残ったのは、森山さんがかつてメンバーに「解散してもいい」というニュアンスをマネージャー経由で伝えようとした際、仲間たちから返ってきたという言葉です。「気にしないで、病気のことだけ考えて」。これほど簡潔で、これほど温かい四十五年の答えが他にあるでしょうか。
moco流に申し添えるなら、森山さんがマスターナンバー33の人であり、井宿の人であるからこそ、周囲のメンバーもまた、損得勘定を超えた純度の高い絆で応答できたのではないかとも思うのです。音楽の実力だけでバンドが四十五年続くわけではありません。昭和から令和まで、同じメンバーがほぼ変わらずステージに立ち続けるという事実は、商業音楽の歴史の中でも奇跡と呼んでよい領域に入ります。井戸の持ち主の寛さが仲間を呼び、仲間の寛さが井戸を守る。井宿と33の相互作用が、THE MODSという四十五年の泉を守り続けてきたのだと、mocoは静かに信じています。

むすびに 古希という名の中間地点
古希という言葉は、唐の杜甫が「人生七十古来稀なり」と詠んだ時代の寿命感から生まれた名です。けれども二十一世紀の日本では、七十歳はもはや稀でもなんでもなく、むしろ人生百年時代の折り返しをようやく過ぎた中間地点に過ぎません。「古希なんてまだ若造」という森山さんの言葉は、言葉遊びではなく、井宿の湧水のように、まだこれから三十年の歩みを続ける気負わぬ宣言として、mocoの耳には届きました。
日本が最も若く、最も騒がしく、最も未来を信じていた一九八〇年代の空気を知る世代にとって、THE MODSがこの秋に全国を回るというニュースは、ただのツアー情報以上の重さを持ちます。あの頃のライブハウスの熱気を胸に抱えたまま、半世紀近く走り続けてきた井宿のロッカーが、井戸の底からまた新しい水を汲み上げようとしている。その音を、今年の秋も、ぜひステージの前で浴びに行かれてください。古希という名の若造が、きっと会場を揺らしてくれるはずです。

用語集
宿曜(しゅくよう)は、空海が唐から持ち帰った密教占星術で、月の運行を二十七の宿に分け、生まれた日の月の位置から本命宿を定めます。数秘術のマスターナンバー33は、11、22、33の三つのうち最も稀少な数で、無償の愛と奉仕を人生の主軸とする魂を示します。井宿は湧水のような絶えない表現力と研究心を象徴し、芸能や学問の道に適性を持つ宿として古来読まれてきました。
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免責事項:本記事は星読み新聞の読み物企画です。鑑定内容は人柄や志の素描であり、健康や病気を占うものではありません。公表されている生年月日に基づく一般的な傾向の読みであり、個人の意思や成果を規定するものではありません。
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moco|横浜中華街の占術家・セラピスト
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著者:moco|占術家・セラピスト
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